賃貸トラブルに”チャットGPT”はつかえるのか⁉

管理スタッフからの現場レポート~

賃貸トラブルに”チャットGPT”はつかえるのか⁉

いま話題の「チャットGPT」。
AIが質問に答えてくれる、とTVで報じられていたので、試しに騒音トラブルの解決法を聞いてみることにしました。
まず最初に定義づけをしておきます。
AIに向かって、「あなたは賃貸経営のエキスパートであり、目的は大家さんの疑問に答えることです」と告げて自己認識してもらいます。
すると「できる限りお答えします。」と答えてきたので、さっそく会話を始めてみました。

最初の質問は、「入居者から他の部屋の騒音について苦情があったが、どう対処したらいいか︖」です。
間髪入れずに5 項目の手順が返ってきました。

1.申立者と面談して、騒音の内容や発生時刻、頻度を詳しく聞き取る。
2.騒音の原因の入居者を特定す
る。
3.特定した入居者に丁寧に注意を促す。
4.効
果ない場合は警告通知や制裁措置などする。
5.最悪
の場合は賃貸借契約の解除や立ち退き手続きを進める。

以上の5項目です。

現場スタッフとしては「そんなものかな」という評価ですが、なにより、瞬時に答えるところがスゴイですね。
ただ、現場ではもっと細かな手順が必要です。
特に、2.の入居者の特定と、3.の注意を促すは、トラブル解決の肝の部分なので、より丁寧な手順が求められます。

そこで次に、「騒音元の入居者を特定する具体的な方法は︖」と質問してみました。

解答は、

1.申立者以外の入居者にも騒音の詳細を聞くことで絞り込む手がかりを得る。
2.音量計などで測定するこ
とで部屋特定できることがある。
3.入居者アンケー
トで発生時刻や内容、部屋の位置などを尋ねる。 

という3項目が返ってきました。

特に3.の入居者アンケートは、私たちも必ず使っている手順であり、よい方法だと思います。
ただし、この騒音元が特定されてからあとの手順が、なかなか気を遣う部分になります。

そこでさらに「特定した入居者に注意する前に、何か手順はあるか︖」と聞いてみました。

解答は、

1.共用の掲示板などに騒音の告知をすることで、直接に注意しないで問題を改善する機会を与える。
2.大
家さん自身で対処しないで管理会社を介して調停してもらう。
3.契約規定やルールを改訂しておくことで
入居者に規定の遵守を徹底させることができる。

という解答でした。

1.の掲示板への告知は、騒音トラブルには欠かせない手順ですし、2.の管理会社の活用などは、まったく同感です。
以上のように、AIから良い解答を得るためには、質問を一回だけで終わらせず、AIの答えに対して、さらに踏み込んだ質問を繰り返していくことで、質を上げることができるようです。

ただ残念ながら、私たち現場スタッフの経験値を超えるような名解答は得られなかったのですが、手順を整理するには役立つツールだと思います。

さて、AIも勧めていたアンケートについて、もう少し詳細に説明いたします。
音のクレームを受けたときには全戸にアンケートを出すことがあります。

このアンケートには、ギシギシやトントン、テレビ等の大音量など、具体的な音が羅列してあり、該当欄にチェックが入れられるようになっています。

気になる時間帯も、終日・昼間・夜間などチェックできるようになっています。
入居者さんに「空白に書いてください︕」と言っても書きにくいものですが、選択肢を用意しておくと回答率がアップします。可能であれば部屋番号と記名もお願いしています。

アンケートの効用として、もし全員が「音の問題はなし」の回答であれば、申し立てている入居者さんの過剰反応という可能性が考えられます。
また、時間帯が昼間なら、ある程度は許容範囲内と判断することもできます。
しかし時間帯が夜間であり、複数人が気になる音を感じているなら、騒音が現実である可能性が高いですし、その回答者の部屋番号から、音の発生元を推定することもできるでしょう。

このようにアンケートだけでも状況把握ができます。
その後はAIが言うように、アンケート結果を掲示板などに告知することで、「家主側は対応しています」とアピールしながら、実際に音を出している入居者には牽制にもなります。

無知やウッカリが原因のトラブルなら、これで止むかもしれません。
それでも改善せずに、特定の入居者に絞れるだけの確証を得たなら、訪問して改善してもらうようにお願いします。
ご本人も気付いていない場合もあるので「共同住宅は音が聞こえること」を教えて差し上げます。
それでも無視されるなら、最悪は裁判という選択肢もある、ということで、この手順もAIの解答の通りですね。

その活用については賛否のあるAIですが、工夫次第で使えるツールかもしれないと感じました。
賃貸管理のレベルアップのために、活かせたら良いと思いました。

金子が経験してきた騒音トラブルの傾向

①音に対する認識が違う・・・テレビのボリュームが分かりやすいので、一例として。
隣のテレビの音がうるさいとクレームが入り、そのお宅に伺って音の確認をしました。
通常の住宅は防音設備が整っているわけではないので、多少の音は聞こえるものです。

実際にお部屋に入り音を確認すると50%位の確率でお隣がうるさいのではなくご本人が敏感過ぎる。
このような人は防音マンションとまでは言わなくても、それなりの気密性や二重サッシ等の物件に住替えなければ解決しなレベルです。
ただ、住替えても、逆に洗濯機や足音等の音が気になり始めると思います。
社会の常識に照らし合わせて、敏感過ぎる方は物理的な部分で解決するしかありません。
実際にはそれを選択できる物件は相当限られてきます。

残りの50%は明らかにボリュームが大きく、非常識な時間に音を出していることが多い。
このケースは注意して改善できることが多いです。

改善できても音を出していた方の入居者は、次第に居心地悪く退去する人もおります。
やはり退去するような人は上記のように物理的に対応している物件選びが必要となります。

②生活習慣が違う・・・夜型の生活習慣の人や夜勤務めの方は昼夜逆転になるので、深夜に生活音をだしてしまうということが多いのですが、これも神経質な方が些細な音でうるさいと感じる方もおります。

昼夜逆転しているのに気にせず音を出していることでトラブルになっていることが一番多いです(友達が来て騒いでいるも含めて)。

神経質な方が気になさる場合は音がするしないよりも、音そのものが気になるので常識的な音でも気になってしまうためこれもやはり物理的に物件で解決するしかありません。
気持ちはわかるのですが、法的に見ても常識的な音量では改善部分はないからです。
本人たちの意識の部分はあくまでも気持ちであり、意識の注意の話なので改善部分とは切り離した考えです。

もちろん、昼夜逆転しているのに気にせず音を出している人には改善等指導して解決に努めていきます。言えばわかる常識的な人が大半ですが、非常識な人はやはり居心地悪く退去していくことが多いです。

音の問題は他にも色々ありますが、上記2パターンが本当に多いです。

音の問題に限りませんが、管理会社はトラブルが発生したら速やかに対応することが早期解決への近道です。
逆にそこが遅れるとトラブルは大きくなっていきます。

また管理を依頼せず、募集だけお願いしているオーナーさんも多いと思います

正しい管理をしている管理会社はトラブルが起きないように日常努めているので、トラブルが発生しても解決が早いのです。
管理をお願いしていないオーナーさんが、急にこのようなトラブルのお願いを管理会社に相談しても、断られたり解決できなかったりするので、今一度ご自身の管理運営と管理会社と管理をしていくかは改めて見直してくださいね。

当社も正直言ってトラブル解決は不動産屋に言えば簡単に解決できると安易にお考えのオーナー様のご依頼はお断りすることがあります。
時間とお金と労力がかかっていること理解していただきたいので。

トラブルは起きてからの解決ではありません

起きる以前の日常の対応策や対処方法が重要と考えます。
そのためには何が大切か?私たちハウジングサクセスは『人』と考えております

良好な管理運営をするためには満室運営以前に正しい入居審査です。
満室になっても不良入居者に毎日振り回されては本末転倒です。

ハウジングサクセスは早期成約をするために最善の努力をしておりますが、入居者を決めれば良いという考えは持っておりません。
入居審査でお断りする方も多々おります。
審査が厳しいというよりも適当な審査はしないという意識で管理運営しております。

賃貸管理でお悩みの方は管理依頼の有無以前に相談してください。
信頼できれば管理をお任せいただければ私たちはその信頼にお応えするだけです。

出会ったご縁を大事にしたい。ただそれだけです。

 

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