とてもとても残念です。

「あのね土方さん、ちょっとお願いが…」

 

明るいキャラクターのオーナー様から

ちょっと切羽詰まった感じでお電話をいただきました。

こちらのオーナー様は、6部屋あるアパート経営をしています。

常に高齢者や生活保護受給者を受け入れて下さっている、

とてもお気持ちの温かいオーナー様です。

ご自分で共用部の掃除をされたり、電球を替えたりされています。

 

「1階のHさんの郵便物が溜まっているんだよ。

2週間近く溜まっていると思うから、心配なんだよね。」

 

Hさんは生活保護を受給されているので

ケースワーカーさんと話をするべく

練馬区の福祉事務所へ連絡したのですが…

電話に出た職員の女性からは

「その方が保護を受けているかどうかも含め、お答えできません。」

という信じられないお返事。

「ケースワーカーは把握していると思いますよ。」

え?じゃあ、そのケースワーカーさんに安否確認をお願いできますか?

生活保護受給者であることも本人から聞いて分かっていますので。

と言っても、

「そのお返事も含め、私からは何もお伝えできません。」

 

は?…命の危険があるかもしれない状況なのに、その対応はどういう事?

 

土方の頭は怒りで爆発しそうでした。

Hさんが今どこでどうしているか?

それだけが分かればいいの。

個人情報など興味ない。

入院中?

親戚のところへ身を寄せてる?

お部屋で一人亡くなっているかも?

知りたいのは、ご無事かどうかだけなのに。

 

「孤独死」という言葉が頭の中をグルグルしていました。

怒りで声が震えてしまうほどでしたが

「では、どこへ連絡すればよろしいですか?

あなたに何も教えて頂けないのでしたら。」

努めて冷静に聞きました。

「ケースワーカーが分かっていると思いますので」

を繰り返すだけ。

録音メッセージか?って思うくらい。

しつこくしつこく聞いてみたら、

「…地域包括センターの担当者が何か知っているかもしれないです」

 

ああ。。。土方の我慢は限界でした。

「それなら、それを先に教えて下さるべきでは?!

規則かなんか知らんけど、心配していることが伝わらないなんて

人として、とてもとても残念ですよ!!」

怒りで我を忘れそうでした。

その後、地域包括センターへ急ぎ電話をしたら、

「本日の業務は終了しました」……

 


 

結局、Hさんはお部屋で亡くなっていました。

土方が練馬区の福祉事務所へ連絡して丸一日経ってから

ご自分のお部屋で発見されました。

 

悲しすぎます。

 

福祉事務所へ連絡した時にはすでに亡くなっていたかもしれません。

もしかしたら、間に合って命が繋がったかもしれません。

それも、今となってはもう分からないことです。

定規で線を引いたような答えだけしかできない、

そんな体制がやりきれないです。

確かに、詐欺や悪質な訪問が多い昨今、

彼らを守るために必要な事なのかもしれません。

電話に出た方が冷たいわけじゃないと思います。

土方があまりにもしつこく食い下がるので、

本当に困ってしまっているようでした。

ただ、土方には…何か人としての思いやりや

人の命が危ういかもしれない、という危機感は

電話の向こうから何も感じられませんでした。

 

本当に、本当に、残念です。

 

15年という長きにわたりお住まい頂いた深い感謝とともに

謹んでHさんのご冥福をお祈りいたします。

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